日本とミャンマーの中古車事情 Part 1
日本には独特の中古車のマーケットが有る。何十年もかかって今の流通が出来上がった。
オークション会場
トヨタ、日産、ホンダ等のデーラーの営業員が新車を販売、納車してその下取り車を業者卸販売又はオークションでプロの業者間で取引される。中古車業者はその車をメンテナンスして販売する。
オークション会場のスクリーン
そして一般ユーザーがその中古車を購入した。しかし新車の販売台数が増えてユーザーも何台も代替え経験している内に下取り車をデーラーに出さず高取りしてくれる買取り業者と直接折衝するようになった。
しかも色々な買取り業者が出現して中古車保有ユーザーは色々な業者に当たり出来るだけ高く買い取ってくれるところへ売却するようになった。即ちアマチュアがだんだん中古車ブローカーに育って行くわけである。
そしてその次に業界を激変させたのがインターネットの出現である。これは我々数十年自動車業界に関わっていた人間にはものすごい衝撃だった。車型、グレード、年式等により平均的な売買価格、市場相場等が即座に判る様になった。
お茶の間に居ながら事務所に座って居ながら、それも全ての人に・・等など、下腹の出たどこの中古車業者のオヤジもタバコを吸いながら慣れないパソコンと戦いながら乗り遅れまいと頑張ったのだ。
しかしNET上の中古自動車ビジネスはとっくにもっともっと遠くを走っている。即ち世界である。
衛星オークション
8年~10年経過した日本人が見向きもしなくなった中古車を外人ブローカーが日本中から集めている。
それも殆どタダ同然で、そして世界中に輸出している。1台、数十万円で、それも世界中のバイヤーにNETで写真、詳細などが瞬時に送信出来る環境が整っているから、相手インポーターも安心して買うことが出来る。
それなら輸出業者がみんな儲かる?当然大儲けしている奴もいるし先走り過ぎて大損している奴も出て来る。何故なら輸出先国の大半が発展途上の為、政府の政策が安定しておらず時々ルールが変わるからだ。
例えば年式(年式問わず輸入可能が生産後5年以上輸入不可能になる)ハンドル(左右どちらでも良かった国が左ハンドルに限る)等、それもいきなりである。それらの情報は常に相手国パートナーと緻密な連絡が必要になる。
売れる見込みで大量に仕入れた車両が全てゴミになってしまうからである。しかもそのゴミには港までの陸送費1台3万円~5万円の支払い済費用も含めたダメージとなるから大手を振って歩いていた輸出業者が突然いなくなる訳である。それだけに日本の輸出業者は真剣にならざるを得ない。
日本ではそのような激しい中古車自動車業者間の戦いになっているのだが今ミャンマーは?
ミャンマーのオークション会場
水江一正