世界文化遺産の島、屋久島へ樹齢7.000年の“気”を貰いに行きました。
今年の年末旅行は暖かい沖縄?・・温泉と日本の正月料理を考えるとチョット違うな?と言う事で亜熱帯の島、屋久島に行く事にした。・・正月でも暖かいだろうし・・そこで屋久島観光協会に問い合わせて見た。電話口で親切なスタッフの方が対応してくれた。資料を送ります住所を教えて下さい。2日~3日後受け取り再び電話した。ホテルも温泉も食事も問題なさそうだ。そして観光。この島は1.900Mクラスの“宮の浦岳”を中心とした1.000M前後の連山の“洋上のアルプス”と言われているそうな。この島を訪れる観光客の大半は登山を目的に訪れるらしい。平均気温は里で11℃~17℃山でー1℃~―7℃との事、春と冬が混在している様子。登山ルートも縄文杉コース、白谷雲水峡コース、屋久杉コースそれぞれ8時間半、4時間半、2時間半の行程だ。
我々が選択した”白谷雲水峡”コース
その為に1泊余計に取っているが縄文杉コース“山に慣れた人で8時間半”これは無理だ。この島に来た以上行ってみたいが・・無難に白谷雲水峡、4時間半コースにしようか?樹齢3.000年の弥生杉も見れるし美しい渓谷が多いらしい・・と言う訳で再度観光協会へ電話。どう言う服装で行けばよい?“靴はいつものスニーカーで良い?山は寒いだろうからダウンジャケットで?” ・・“登山はしたことが有りますか?森の中はかなり寒いですよその上かなり汗もかきますしトレッキングシューズやストックはレンタルが有りますヨ”その話を聞いて少々緊張した。歩行距離5KMと言えば平地で1時間少々健康のために時々歩いている距離だ。途中景色を見ながら休み休み上るとそのくらいの時間がかかるのでは?とんでもなく気楽に考えていた様だ。・・マ、取りあえず教えられたとおりレンタルショップで靴のサイズを合せてストックの使い方を聞いて装備している内だんだん緊張感が高ぶってくる。そのレンタルショップから車で15分程、登山口の駐車場へ着いた。既に何組かの登山者が支度をしている。ウエザージャケットを着てトレッキングシューズを履き皆さん慣れているのか贅肉の付いた人は少ない皆“様になっているカッコイイ”人達ばかりだ。そしていよいよ登山道入口入山案内のお兄さんに“コンニチハ何組目ですか?”“お宅さん達で64組目です”“迷ったら助けに来てね?“それは無理ですルールをマモッテ登って下さい”“遊び半分にノボルンジャネーヨ!”と言われている気がした。直ぐ足元の流れの速い渓流の白い水しぶきが“この先もっと美しいところが有るよ”と期待させてくれる。
初めの内は登山道も整備されており足元はシッカリしているが当然登り坂である。数百メートルも登らないうちに心臓がドキドキし始めた少し休みまた昇り、初めからこんな調子で大丈夫カナー?しかし20分~30分程の分岐の標識に左“弥生杉”とある。“アッターこれが樹齢3.000年の弥生杉か”先ず登り切れるか不安が有ったがホットした。これが弥生杉か!
3.000年前の日本と言えば鉄製武器が使われ始めた時期らしい。昔過ぎて比較が出来無い。感激してシッカリ写真撮影。
弥生杉
先ず最低目標達成!すると不思議と気持ちが楽になりそこからつり橋まで1.500M位だ行ってみようと言う事になった。このあたりから後から来る人たちも増えて来て引き返す気は無くなった。しかしその橋を越えたあたりから板の路は無くなり足元はゴツゴツした岩ばかり
これは道では無い!岩だ!
シッカリした石を選びながらストックを使い登って行くこれははっきり言ってすでに登山だ!行きかう人達皆一様に挨拶をしてくれる“コンニチワ、頑張って下さい”・・・キット初心者だとわかるのだろう・・
寒椿・・和まされる!
森林の空気も良いし山好きの人達との清々しい巡り合いだ。久し振りの小汗をかきながらくぐり杉、
くぐり杉
シカの宿、
どうしてシカなんだろう?
白谷小屋辺りから帰りもこの工程を帰るのか?等と思いながら他の皆さんと登って行く。
七本杉
登山を趣味にしている人達は僕の近くにも多くいるがこんなことが楽しいのか?等と思いながら1歩1歩と足元だけを見ながら・・僕の初めての登山が続く・・白谷小屋(休憩所)では十数人の皆さんが持参して来た握り飯をほおばりながら情報交換している。我々もホテルで作ってもらったおにぎり弁当を食べながらやっと落ち着いて状況判断、すると中には降りて来ている人もおり太鼓岩はガスが張っていて何も見えないヨ!“シメタ!下山の口実を考えていた僕は次の見どころ“苔むす森”迄行ってそこでユーターンしないか?他の人も同じ考えだったのだろう直ぐに賛成!その最終目的地、苔むす森・・
丁度霧雨が降り始めたせいも有り大木に張り付いた苔、ゴロゴロとした大きな岩が多くその岩全体に苔が張り付いていてその景色すべてが苔のふかみどり色だ。
そこに霧雨、白くかすみが掛かった状態が“もののけ姫”のモデルになった場所だけあり何とも言えない幽玄な感じにさせられた。
”苔むす森”まさにもののけ姫の世界!
これはスゴイ!この様な空間は人の手で造れるものでは無い。他では二度と見る事は出来ないだろう。ピッタリのタイミングだ。これは来た甲斐が有った。その風景を目に焼き付けシッカリ写真撮影をした。・・大感激、大満足半分ヨレヨレになりながら下山した。取り敢えず管理室に居るお兄さんに”無事帰ってきました”と報告5時間に及ぶ初登山は終わった!!
この島は米作、畑作には不向きな様だ。90%が森林と言う事で昔は平木を年貢として納めていたとある。現在は材木が不振の為、山腹を利用したポンカン、タンカン、お茶の栽培など一次産業が10数%、70%以上が三次産業の観光業に従事しているとの事。ホテル・旅館、ガイド、レンタカー、レンタルショップ等などが多くアチコチで目に付く納得できる。この小さな島には1.900M級の山が有り夏と春、秋と冬の2つのシーズンが一度の味わえるのもこの島観光の強みである。
途中で遭遇した”猿の軍団”人馴れしている!
しかし亜熱帯に属するこの島の雨量には閉口する。鹿児島の飛行場では大雨の為着陸できるかどうかわかりませんとアナウンスが有った位だ。・・しかし我々はやっと無事到着した。着いたら途端に大雨だ。それもハンパで無い。レンタカー屋で聞くと当然の様にこの島は1ヶ月30日の内35日雨が降ると言われているんですよ。年間10.000mm以上の多雨地帯には少々閉口した。
普段は海の中、干潮の2時間程しか使えない珍しい
”海中温泉”!!
・・花崗岩でできたこの島のあちこちに大きな滝が有る。落差が大きい上ハンパデ無い水量の為物凄い迫力が有る。
”大川の滝”水量がハンパ無い!
それも大きな見どころである。島の人達観光に力を入れているだけあり皆さんとても親切で優しかった。年末土壇場で運よく予約出来た“縄文の宿まんてん”食事も良く温泉は天然アルカリ泉も良い。
”縄文の宿まんてん”さん
今日の登山で残った疲れ筋肉痛を何度も何度ももみほぐしながら充分リラックス出来た。
ナント・・トビウオちゃん!!
僕にとって生まれて初めての5時間少々の登山だったが感動した。樹齢3.000年の“気”もシッカリ頂いた。いい思い出となった。
途中立ち寄った”まんてんロケ地とがじゅまるの木”
しかし登山とかトレッキングとかもうしばらくはいらない。小金井公園から西武線に添ってある遊歩道数キロメートルを時々散歩する程度にして於こう。
しかしまた数カ月するとあの魅力に誘われるかもしれない。
水江一正