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日本一の“温泉県大分県”の湯布院温泉!?

日本一の“温泉県大分県”の湯布院温泉!?

日本一の“温泉県大分県”の湯布院温泉
湯布院温泉はここ黒川温泉から九重連山を抜けて30㎞少々の距離だ。
湯布院と言えば1014年某データによれば温泉ランキングで堂々14位だそうだ。草津温泉、道後温泉にはかなわないが下呂温泉、有馬温泉を押さえている。

そこに今回は2泊予定、時間的にかなりゆとりが有る。1時間少々で湯布院へ着いた。先ず今夜宿泊予定の“W.S.H旅館”所在地だけ確認をしてUターン由布院駅近くの駐車場へレンタカーを止めて散策。

ガイドブックにはこの地のお薦めに金鱗湖と湯の坪街道が有る。
まずは金鱗湖、冬休みの為人出は多かったが“ウーン”普通の池?取り立ててひかれなかったのは僕が鈍感なせいかな?湖底から温泉が沸き出て冬でも水温が温かく水はキレイだ。
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金鱗湖・・意外とこじんまりした湖
湖岸を一回りして早々に引き揚げ、湯の坪街道の商店街へ。昼も回り少々腹が減ってきた。
この地域そばが有名との事、シャレた造りの日本そば屋が有った。のれんをくぐるとプーンとかつお出汁のいい匂いがしている。これはイイうまそうだ!早速ビールとお新香とキツネそば頼む!そこで中国人らしいアルバイトの青年、ビールは有りますがお新香もキツネそばも有りません。単品でおつまみ何か無いの?有りません。ジャー肉そば、判りました。

出て来た肉そば、肉は何回も煮込んでいるのか脂が抜けて硬くなっている、その上出汁も真っ黒でショッカライ!“コレカヨー!”仕方がないビールのつまみに上に盛られた肉だけ食べた。こんな料理を出してよく客が文句を言わないな?湯の坪街道商店街、他に何か食べ物が有るだろう気を取り直して散策・・

この商店街2㎞そこそこの間にスィーツショップやカフェ、民芸品、オリジナルグッツ等が昔の長屋の様に軒を連ねている。
チョットレトロな感じがして何となく落ち着くのが不思議だ。
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レトロな感じの湯の坪商店街
今の様な造りや雰囲気になったのは平成になってからだそうだ。
どの店も混んでいる。アジア系の旅行客も相当多い。
手作りチーズ、手作りジャム、かりんとう、コロッケ、漬物の専門店、民芸品等など・・
かりんとう黒糖の揚げ饅頭専門店のジャム
かりんとう     黒糖の揚げ饅頭   手作りジャム
買う気はないが時々つまみぐいしながらブラブラ覗く、子供の頃10円玉を握りしめて駄菓子屋をのぞく感じだ。
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手作りチーズ?・・現代ならではのSHOP
店員と客とのやり取りも結構面白い。(客)8個入りと6個入りの饅頭の箱を見て“10個入りの饅頭が欲しいが?(店員)“アイニクこの2種類しかないのですが”“どうにかしてよ!”尚食い下がっている“6個入りを2個買えよ(影の声)!”色々な客がいるもんだ、店員さんも大変だ。
1時間程経ったか空が急に暗くなり雨が降り始めた。天気予報で明日は雪になるような予報だった。いやな予感がする。早めに旅館に引き揚げた。
愛想の無い暗い感じのオッサンにチェックイン後中居さんに部屋を案内して貰う。この旅館、各部屋全て露天ぶろ付きの離れになっている。この地域湯量は相当あるのだろう部屋の温泉は流れっ放しだ。いつでも入浴が出来る。しかし各部屋についている露天は直ぐ前が塀で息苦しい。
部屋付の露天風呂
部屋付の露天風呂
“この突き当りに露天の大浴場が有ります。”各部屋が離れになって居る為その露天の大浴場までが遠い!やっと行き着いた。既に2名の先客が有る。
トロッとした単純な透明な温泉で神経痛、糖尿、皮膚病等に良いらしい。
露天風呂
離れにある露天風呂
この旅館、敷地が広く山の中に造られている露天風呂である。露天風呂の回りには切り倒された灌木がそのままになり虫がはっている。“客の目に届くところ位整理しろよ!”以前、似た様な山の中の温泉でマムシに出合ったことが有る。

真冬でも温泉のぬくもりで冬眠もしなかったのだろう。先客の2人も揚がり僕一人になり周りの照明は暗くその上先ほどまでの雨が大つぶな雪に変わりミルミルあたりが白くなっていく。5センチ、10センチ・・孤島に一人取り残された感じがしてほどほどにして部屋に向かった。
そして食事、この地域の懐石料理しかも年末だ。自家製の梅酒、地元野菜の前菜、タイ、カンパチ、クルマエビのお造り、黒毛和牛の陶板焼き等など豪華な料理が並べられた。ゆっくりと時間を掛けてこの大事な時間を楽しむ事が出来た。大満足した。

しかし窓越しに庭を見ると雪の降り方が普通でない。明日のスケジュールは宇佐神宮、耶馬溪そして国東半島辺りで新鮮な関アジ、関サバ等を食って・・等とのんきな予定を組んでいたが、大丈夫かな?この地域年間を通して雨が少ないと聞いていたのに。
関アジ
あ~食べたかったナ~関サバ・関アジ
翌朝AM6:00頃目が覚めるとやけに表が明るい。30cm以上の積雪だしかも未だかなり降り続いている。“マイッタナ~!”聞くと別府行のバスは出ているとの事。ジャ~地獄めぐりだけでもするか?別府駅から地獄めぐりの観光バスに乗り3時間くらいで8か所の地獄巡りをした。別府の地獄めぐりは40数年ぶりだ。
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海地獄             血の池地獄
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山地獄             白池地獄
しかし明日の帰りの雪道が気になり余り感動は無い。その間づっと雪はやむ気配どころがもっとひどくなって来ている。
その上、別府駅から湯布院までのバスが雪の為、運行停止になった。仕方ない湯布院まで電車で帰る事にした。
昼飯がまだだったのでその待ち時間に駅構内に有る名店街で腹ごしらえ、この地で有名なとり天を頼んでみた。
とり天?この地域の一番人気の食材らしい。
とり天2
         大分名物”とり天”
から揚げと違い小麦粉とたまごでコロモを付けふんわり揚げるのだそうだ。それをポン酢とからしを付けて食べるとか、大分のいち押し名物だそうだ。あのケンタッキーフライドチキンが出店後間もなく撤退したほどとか・・しかし僕はやっぱり今まで慣れ親しんだカリッとした口当たりのから揚げの方か?・・いや何とも言えないなー!

明日はどうやって帰ろうか?タイヤチェーンは売っているのかな?熊本空港まで山越えしないで帰る方法は無いかな?
大分空港からのチケットは取れないかな?色々な不安が頭をよぎる。慰安で温泉旅行をしている感覚はとっくに無い災難に会っている被災者の心境だ。

幸いにもとり天屋のお兄さんに聞いた量販店でタイヤチェーンは購入出来た(とり天屋のお兄さんアリガトウ!)
旅館に帰りフロントで帰宅経路の相談をするが“明日にならないと状況判断が出来ません。”それもそうだと部屋に帰る。

部屋で道路交通情報を聞いたり、JAFに電話を掛けたり。電話口では担当者の皆さん親切にアドバイスをくれるが地名と位置関係が全く分からない。久々に緊張が走る!翌朝慣れない手つきで数十年振りにタイヤチェーンを付けもう一度フロントで相談。すると返事が“交通情報センターで聞いたらどうですか?”“コノヤロー!道路事情が分からないから聞いてんだろー”久し振りにカー!となった。
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宿の前よりやっとの脱出
多少気の利いた料理を出したり客が帰る時従業員が全員でお見送りをしたり・・そんなパフォーマンスは要らない!
目の前で災難に有っている泊り客の相談に乗るのが“おもてなしだろう!”仕方がない途中のタクシー会社により道路事情を聴いてチェーンが有れば越せるだろうと言われた。
豪雪の山並み街道を抜け雪に車輪を取られ崖から転落しそうになったり命からがらの運転だった。
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車窓より必死の撮影
しかし今思えば美しい“雪の山並み街道”もっとゆっくり楽しめばよかった。写真をもっと取っておけばよかった。
しかしその時はこの先何が起こるか判らない心理状態そんな余裕も無かったし。この山並み街道のカタログやコマーシャル写真に雪景色は無い。毎年数メートル積もる雪国のドライバーから見れば70㎝や80㎝の積雪はどうってことは無いのだろうが何せ僕は40数年ぶりの雪道走行それも知らない土地の山越えと言う不安が気持ちを動揺させたのだ。恥ずかしながら・・
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雪の山なみハイウエイ
年末年始の4日間あっけない休暇だった。”暖”を求めて行ったはずだったが今度の旅行は一勝一敗だ。今年の正月は最悪からのスタートだった。
後は昇るだけ・・いい年にするぞ~!とポジティブに自分に言い聞かせている。
水江一正