先日、偶然にオートギャラクシーの水江氏とプノンペンでお会いしました。その時、言わば在住者だから解るカンボジア気質といった話で盛り上がったところ、帰国後、水江氏からブログの依頼があり、誠実な水江氏のお人柄から快諾しました。その時、小生からの返事に一期の出会いは何かのご縁と、投稿をシリーズ化したいと申し出ました。小生、ちょっとずぼらなところもあり、気まぐれ通信となるかもしれませんが、水江氏とのご縁を大切にして息の長いものにしたいと願っております。
言葉で出会うカンボジア-1-
チョムリアップ・スオー、 スオスダイ
「間違いだらけのクメール語」とは言わないまでも、「間違いやすいクメール語」理解はあります。
さて、旅行雑誌を除くと「カンボジア語会話」というコーナーがありますが、短期間の旅行者にとっては、読み物であっても実用的ではありません。なかには、『えっ、こんなこと聞いたことがないよ』というのも載っています。
例えば、「おはよう」「こんばんは」などのカンボジア語、現地の人に訊くと『これは、テレビやラジオで言うだけで、普段誰も使いません』とのことでした。どうやら翻訳造語のようです。
この一言があれば、クメールの微笑みが返ってくる、そんな言葉があればいいのです。
旅行雑誌の会話でコミュニケーションならば、今、流行の「指さし会話」のほうがずっと役立ちますし、変な発音で誤解されることもありません。
今回の挨拶言葉は、クメール語の紹介ページがあれば、かならず出てくるポピュラーもの。でもこれも使い方次第でちょっとディープになります。
『チョムリアップ・スオー』とカタカナ御発音でも胸の前で合掌すれば、先ずは通じます。これは朝から夜までの万能挨拶語で「こんにちは」と翻訳されることが多いですが、本当は日本語の「初めまして」に近い、または「お久しぶりです」といった改まった挨拶語です。
これが終われば、次の日に訪ねて行って、同じ挨拶語を言う現地の人はまずいません。
ホテルなどで朝会う従業員に「チョムリアップ・スオー」は滑稽です。ならば「Good Morning」のほうがスマートです。当地に住んでいるとカンボジアとは挨拶の少ない国だ、思ってしまいます。一度知り合いになると、我が家にぬーと入ってきて、ぬーと消えてゆくことが多々あります。
そのため、「おい、一言、言えや」とムッとすることもあります。元々、隣近所の付き合いしかない農民が圧倒的に多いのですから訪ねる人も訪ねてくる人も、そして会う人も小さい頃から知っているという間柄なので、挨拶無用なのでしょう。
でも挨拶もなく黙って会えないよねーという人に便利な言葉がという人に便利な言葉があります。
スオスダイ、これは、二度目以降に会う人への挨拶としては、まず万能に近いです。知人、友人ならば「やあ」に近いし、よほどのお偉いさんでなければ、「こんにちは」になります。そして時間を選びません。
カンボジア・竹と風の学校:校長
現地発行旅行誌D.A.C.マガジン:編集長
安 齊 恭 夫
(現地在住:2002年~)
*「カンボジア・竹と風の学校」については、ネットで検索し新聞記事をご参照。
クメールの微笑み(アンコールトム・バイヨン寺院)
あいさつ:カンボジア・竹と風の学校