ミャンマー雑記 Part10
昨年の夏、中国との国境近くまで旅をした。村のホテル?にはシャワーもなく、家の外で水をかぶって汗を流す。電話は近くの町まで行かないとヤンゴンとは通じない。中国とは通じるがこれは政府から禁止されている。テレビはもちろんラジオもない。
ミャンマーと中国とタイとの国境地帯はゴールデントライアングルといって麻薬の一大生産地になっている。麻薬栽培はこの地方の最大の産業であり、貴重な現金収入源となっているし、反政府勢力の資金源にもなっている。
日本政府のJICA(日本国際協力機構)は、麻薬撲滅の一環として麻薬に代わる産業を起こすべく、「お茶とソバを作って日本へ輸出する」というプロジェクトを立てた。 が、これは見事に失敗した。
この付近の住人はもちろん複数の山岳少数民族である。この写真の可愛い少女たちはカチン族という。 彼女らはレストランで働いており、コメに混じっている雑物を取り除いている。ほっぺたに塗っている白いものは、ゴミではない。ミャンマー独特の化粧法。主食はコメ。彼らは3本の指を使って食べる。
お客には、箸かスプーン・フォークを出す。食べ物には違和感はない。ヤンゴンの料理ほどの香辛料は使っていない。
残りの人生、何もかも捨てて老後をのんびり暮らすにはもってこいの地かもしれないと思った。
決して快適な旅とはいえなかったが、彼女らの澄んだ瞳を見ると何かホッとするものを感じた。