クジラとイルカの町太地町
和歌山と言えばぜひ行きたかった町が有る。クジラとイルカの町太地町だ。
クジラのパフォーマンス
日本の捕鯨の発祥の地として現在まで400年の歴史の有る街だ。太平洋で木造船数隻で巨大なクジラと時には死者が何人も出るという命を懸けた壮絶な戦いをする。彼らは源平合戦で源氏を大勝利に導いた世に名高い熊野水軍の末裔達かも知れない。等と勝手に思いながら・・
昔の捕鯨船?
昼過ぎに太地町について先ずクジラ料理専門の店“くじら屋”へ飛び込み“何がおススメですか?”クジラ屋ランチがお得ですよ。と言う訳でそのクジラ屋ランチを頼んでみた。クジラ料理等今時東京では殆ど食さない。
これが有名な”くじら屋”
僕らの子供の頃は栄養価も高く安い食料として学校給食などでマズイ脱脂粉乳と中が空洞の硬いコッペパンと一緒にクジラの竜田揚げやベーコン等が度々出されていた事を思い出す。
それがクジラの漁獲制限等で近年高級品になっている。時々クジラのベーコンなどスーパーにも並べられていたが。それも殆ど見かけなくなった。たまに専門店で目にする程度だ。
今回もどの部位もたくさんでは無く少しづつ色々食べて見たいと思っている。クジラの大和煮、サエズリ(舌)の吸い物、竜田揚げ、ミンククジラ、ナガスクジラ、イワシクジラの刺身三点盛り等などが次々に配膳された。
クジラの刺身”3点盛り”
吸い物は脂がのって舌触りは良いがチョット匂いが鼻に着いた。その他の料理は柔らかく美味しく頂けたが味の違いは良く判らない。
クジラのステーキなど・・
肉の種類として馬刺しの様な噛みごたえがした。度々食べて見たいと思うほどの料理では無かったが日本の捕鯨発祥の地で本物のクジラ料理を食した満足感が有った。
ここ暫く調査捕鯨以外は全面禁止になっているのかと思ったがそうでは無いらしい。“国際捕鯨委員会は大型クジラの捕獲は規制しているがイルカや小型クジラの捕獲は規制していない。しかし大型クジラの捕鯨規制も例外として先住民が生計のための捕鯨は許されている。”との事。
アメリカなどは昔、鯨油目的に相当な乱獲をしたらしいが原油が見つかったお陰で“捕鯨反対”になったようだ。
因みに2012年:米69頭、ロシア140頭、デンマーク167頭捕獲されている。ノールウェイとアイスランドはIWCの規制に反対しており各464頭、52頭捕獲したとある。日本は先住民生存捕鯨も商業捕鯨もしておらず生態研究目的に424頭捕獲した。資源が枯渇しないように各国が自主管理のもとに行われている。世界中それぞれの国ではそれぞれの文化や食生活が違うのだから一方的な強制はするなと言いたいところだ。
満足した足でここから数分のクジラ博物館へ行く事にした。
入場間もなく隣接するプールでイルカそしてクジラのパフォーマンスが有ると言う。へーあのクジラに芸を教える事が出来るの? 宙に舞うイルカ
入江を仕切って造られたプールの観客席で待っていると黒ずんだ幾つかの大きな波が立ちすぐに背びれそして背中が見えた。キタキタキタ~!5mチョットの小振りの数頭のゴンドウクジラだ。
巨大なクジラの曲芸
調教師の笛と白い手袋の合図でジャンプしたり調教師の筏に乗って餌をせびりに行ったり・・数頭のクジラが一度にジャンプする。
調教師から餌を貰っている・・愛らしい
クジラの水平飛行
波しぶきも激しくかなりの迫力が有る。“キーキーキー”イルカと同じような鳴き声を上げる。昨年夏、北海道知床沖でで数時間かけてホエールウォッチングに出かけたが1~2度瞬間的にシッポだけ見たが今まさに目の前で大きなクジラがジャンプして芸をしている。結構イヤされる。
ショーが終わった後は観客席のすぐ足元まですり寄って来て餌をねだる。調教師が口を開けたり歯ぐきを見せたり・・全く抵抗しない。あの大きなクジラがカワイイしぐさだ。よくこれまで訓練出来るものだ。それもそのはず体長4m以上をクジラ、未満をイルカと言うらしい。・・知らなかった。
別れを惜しむかのようにキイキイと泣いている?
ここでは全国各地の水族館に引き渡される前のカワイイイルカ達の訓練もしているとの事。アーそれでここのイルカのパフォーマンスはレベルが高いのだ。1時間足らずのショーであったが大満足した。
今、世界で動物愛護団体から色々な話も出ているが頑張って欲しい。そして乗って来たレンタカーで帰途“くじら屋”の横を抜けてホテルへ向かった。何とも言えない気持ちになった。カワイイ羊牧場に観光に行ってジンギスカンを食べるのと同じだと考えて自分を納得させた。
これで僕の今年の正月休みが無事終わった。
今年に入りアメリカでは以外にもトランプ氏が大統領になりイギリスがEU離脱する。“さわぐ酉年”と言われている。望むところだ!当社も方向を見失わないように少しでも前に進むようにしっかりとした1年にしなければならない!クジラ達も頑張っているのだから我々もモット頑張らなければならない!と自分に言い聞かせている。
水江 一正